4つの最重要テーマ

機会・チャレンジを創る

高校生プロジェクト Sasebo Change
-高校生が地域で、やりたい!を実現する-
SaseboChangeインスタグラム

佐世保市内の高校生が、高校の枠を超えて、高校生がやりたいことを実現しながら、地域課題を解決することを目指す取り組み:
SaseboChange。企画も、チームづくりも高校生が自分たちで考え、提案し、実行するもので、大人は影からサポートするスタイル。現在は、学年・高校も異なる40人が4つの企画に取り組んでいます。

①米軍との交流企画
佐世保市には米海軍基地があり、多くの外国人の方が住んでいます。一方で、現実はなかなか交流する機会や同年代と語り合う場がありません。これを高校生自らがその場や機会づくりにチャレンジしています。

②宇宙・星きらり企画
天体や宇宙に興味があるが学べない・・という悩みを解決する場として選んだのが、佐世保市が持つプラネタリウム・星きらり。どうしても遠く感じてしまう、宇宙や天体のことをもっと身近に感じてほしい、そして「オリジナルのプラネタリウム」を作り、全国の科学館に届けたいという想いのもと活動しています。

③多世代交流企画
いろんな社会課題のネックである世代間ギャップ。よくよく考えると圧倒的にコミュニケーションが足りていない。この課題を解決し、子育て世代、高齢世代が地域で支え合うために何ができるかを考える企画。公民館で、おじいちゃんおばあちゃんに提供する健康体操を開発中。

④MR(松浦鉄道)企画
佐世保市や近隣市町を通る、ローカル線・松浦鉄道。高校生にとっては、通学の足ではあるが、地域交通は多くの問題を抱える。これを解決するには、新しいお客さまを呼び込む必要がある、これにチャレンジするために、まずは自分たちで「列車を貸し切り」、新しいニーズを探ります。

参加している高校生の声
私はとある大学のイベントで、地方と都会の学生との間にある「経験値」の差を痛感し、この差をなんとか埋めたいという想いのもと、SaseboChangeを立ち上げ、さまざまな企画を運営しています。
現在、多くの高校生が仲間になって、いろんな取り組みをしておりとても楽しいです。このSaseboChangeがずっと続いていってほしいと思っています。日々、この活動をサポートしてくれているサポーターの方々には感謝しています。

機会・チャレンジを創る

佐世保市 若者活躍・未来づくり課の発足
–若者の夢を応援し、愛着を-

2024年4月より、佐世保市役所に新たな組織として「若者活躍・未来づくり課」が設立されました。
この新組織は、前年に開催された佐世保市主催の若者会議:SASEBO未来デザイン会議にて、古川が提案した「若者部おもしろ課の設立」が検討の基礎となり設立されています。

SASEBO未来デザイン会議:佐世保市HP(PDFリンク・232ページ)

この組織の役割は、佐世保市に在住で、主に高校生〜39歳までの約45,000人の若者が抱く夢や、自己実現を応援したり、同じまちにいる若者それぞれがイベントやオンラインツールを通じてネットワーク・コミュニティとなり、まちに対しさまざまな接点を持つことができるようにすることです。

現実問題として、進学や就職を機に佐世保から他のまちへ転出する若者が多く・常態化しています。このような現実を踏まえて、例えば高校生のうちにできる限り「佐世保にいても、こんなことができるんだ!」・「外のまちに行っても関わり続けたい」という”愛着”をできる限り感じてもらうことで、愛のある関係人口・将来のUJIターン層あるいはまちのアンバサダーになってもらいたいと考えています。

最終的には、このような若者が全国で活躍し、ふるさと佐世保に経験や人脈などを支援という形で還元してもらうことで、これまでまちの中でしか解決できなかったことがオール佐世保で解決できたり、外の視点を活かしたビジネスの構築を進めたりとといった「新しい価値」の創出ができればと考えています。

画像をクリックすると、動画で若者活躍課についてご覧いただけます。
佐世保市 若者活躍・未来づくり課とは
「地域未来共創部 若者活躍・未来づくり課」は、SASEBO 未来デザイン会議で企画提案され、実現した内容の一つです。
同課では、市内外の若者に焦点を当てた取り組みを推進します。
取り組みは、市役所内の部署間を横断するだけでなく、官民連携や、当事者である市内外の若者の他、全てのさせぼファンを巻き込みながらさまざまな取り組みを進めていきます。

◯若者活躍・未来づくり課とは?:広報させぼHP

ふるさとの教育を多彩で異彩に

総合的な探究・学習の時間のプログラム支援
-探究の充実が、人生に役立つ-

高校では毎週1~2時間で、高校生みずからの興味やじっくりと時間をかけて考えたいこと、活動してみたいことをベースに問いを立て、その問いをどのように解決するのかを考え、そのプロセスを発表などを行い表現することにチャレンジをする「総合的な探究の時間」という授業が設けられています。
また、中学校でも課題を学校で設定し、その解き方を考える授業として「総合的な学習の時間」と言う授業があります。

総合的な探究の時間とは?:文部科学省公式HP

地方における総合的な探究・学習の時間では、やはり身近である地方の課題やSDGsにまつわる環境や社会問題に挑戦する学生が大部分を占めます。

この場合、学校や学生は、学校の外の関係者との接点を持ち、さまざまな情報を収集し、単に学校・学生がやりたいことを実現するだけではなく、関係者全員にとっても実りある取り組みにする必要があります。
すなわち、学校・学生と地域をつなぐことやお互いの利害を調整するといった活動が発生することになります。

また、学生にとっては、通常の教科教育では「問題があり→答えを出すこと」が基本的な学びのスタイルである一方、探究は「問題を自分で作り→解き方を考え→正解かわからないが答えを生み出す」という作業になることから、いわゆる「問いを立てる」・「デザイン思考」には一定の訓練と、 色々な考え方に触れる機会が必要となっています。

上記のように、総合的な探究・学習の時間を実施する際には、学校・学生と地域のつなぎこみ、 問いの立て方の伴走、さまざまな経験を得るをつくる必要があり、これまでの延べ2000名近い学生の支援を行なって参りました。

[支援例]
・年間を通じたプログラム作りと、学生との壁打ちプログラムの設計
・修学旅行・研修旅行を使った探究プログラムの設計
・先生方への研修 など

支援を受けた先生の声
学校の総合的な学習の時間の中で、ふるさとをPRすることを目的としたTシャツの販売プログラムを実行しました。
地域とのつながり作りや、校内での授業コマとの調整、実際の授業での登壇など、丁寧な支援を頂き感謝しています。
このプログラムを通じて、学生のモチベーションも高まり、日々の学習や生活にも良い影響があります。

NBC長崎放送・佐世保市立福石中学校の地域の魅力発見プロジェクトの映像

コミュニティが想いを熱くする

佐世保をつなげる30人
–集まり、考え、実行するコミュニティ-
佐世保をつなげる30人インスタグラム

渋谷から始まった「つなげる30人」を九州で初めて佐世保が開催しました。
「つなげる30人」の特徴は、自身が所属する団体・業界ではない多種多様な人物と繋がり、地域の課題を解決することにフォーカスを当てている点です。

つなげる30人とは?:一般社団法人つなげる30人HP

なぜ、このつなげる30人を佐世保で開催しようと思ったのか。
私が代表を務める(一社)共感結社モルタルの理事の1人で、市役所勤務の仲間がつなげる30人と出会い、佐世保でやりたい!との想いを実現すべく始めたのがきっかけです。
私自身も、佐世保を離れて、いざふるさとのために何かしたい!と動き出した頃は、想いを同じにできるようなコミュニティはなく、飛び込んでいけなかったという苦しい状況を経験していたため、なんとかつなげる30人の仕組みを使いながら仲間が集まり何かを考え、実行している状態を作りたいと考えていました。

つなげる30人に挑戦した理由:【「地域をつなげる力研究会」 Vol.12レポート】三足の草鞋を履く 「佐世保をつなげる30人」発起人と深める 異分野をつなげ、未来を創るトライセクター人財の育成秘話(出典:つなげる30人note)

地方は、都会と異なり、人間関係が微妙な距離感であることや、どうしてもそれぞれが所属する団体の中での活動にとどまってしまう傾向が強いことに加え、今ではよく耳にする官民連携についてもまだまだ”まちづくり・社会課題解決は市役所がやること”という考え方が根強い中で、きちんとしたステップを踏みながら、まちの課題を解決して行こうというのは非常にチャレンジグな取り組みです。
大きな成功やアウトプットよりも、小さくてもコミュニティがあること、課題をみんなでコラボレーションして解決しようとする雰囲気、愛があることは、市外の方が「佐世保は面白そう!」と感じるための必要条件であり、地道ではありますが、継続的に取り組んでいきたいと思います。

繋げる30人運営メンバー
つなげる30人は、地域の仲間と共に、普段とは違う視点や角度で、改めてまちのことを考え、悩み、実行する楽しい取り組みです。
他の都市でも様々な好事例が生まれているつなげる30人の仕組みやワークの進め方を最大限活用しながら、面白いこと・面白い人が集まるコミュニティになっていくといいなと思います。

移住以外の別解を見出す

出身者コミュニティSaseber(サセバー)
–出身者と共に、地方と都会をつないでみる-

同じ高校で、受験の苦楽を共にした同級生と立ち上げた関東圏在住の佐世保出身者コミュニティSaseber(サセバー)。Saseberの名付けは、高校の仲間が命名。

佐世保出身者コミュニティSaseber(サセバー):Project Saseber HP

移住は色々なハードルを乗り越えないといけない中で、注目されているのが関係人口・二拠点生活と呼ばれる、住まいは違うところだが、離れた場所からふるさとと接点をもつという考え方です。
この関係人口を考える際に、意外と盲点なのが”出身者”です。なぜ、盲点になっているかいうと、いくつかの理由があります。

1つ目は、出身者は離れた後もふるさとに関心があり、そもそも関係人口になってもらう必要はないという前提に立っているからです。
要するに、掘り起こして関係人口にする対象には入らないということです。
ですが、このプロジェクトを通じて、この前提=出身者の故郷への関心が続くということはなく、むしろふるさとは「無視していても大丈夫」な存在になっていくことがわかっています。

2つ目は、古くは地方からの集団就職の流れから、例えば〇〇県人会、〇〇高校OB会といったコミュニティそのものは存在するため、すでになんとなくそこに人が集まり、活動されているように見えるのですが、実はそのコミュニティの中でも若者層が取り込めない、年に数回の会合以上のアクションに繋がらないことから思いはあるが動けない・・といった悩みを抱えています。

このような状況に対して、世代横断かつアクションをすることに軸をおいたコミュニティを実験してみようということで、始めたものがSaseberです。はじめてみてわかったことは、世代横断でやることで、お互い耳障りが悪いことも聞かねばならないのですが、最終的には「でも佐世保のためならね。」と落ち着いていくことです。
このような、世代横断での対話やアクションは、関係人口の文脈だけではなく、社会課題全般に言えることです。もしかすると、社会課題解決の糸口になるかも?しれない、そんな取り組みにも挑戦しています。

Saseber参加者
(70代女性)
参加する前は、世代横断?アクション?と少し戸惑いながら参加しましたが、今となっては、色々な年代・立場の出身者と、小さいアクションを起こそう!というところまで来ています。
少しずつ、この輪を広めていけるといいなと思っています。